日本古来の木造住宅

通気性が高いので湿気が籠りにくい

日本の木造住宅は多くの場合、意図的にすき間が生じるデザインになっています。これは日本が湿度の高い地域であることが大きな理由です。石や金属などで密閉した構造にすると室内に湿気が籠ってしまい、不快な感じになってしまいます。その点、日本古来の木造住宅はすき間部分が外気の通り道になっているので湿気が籠りにくく、一年を通じして快適な住み心地を維持できるのです。室温が外気に影響されやすい欠点はあるものの、湿気が籠りにくいことでカビの発生や建材の変形などのトラブルが起きにくく、建物が長持ちする利点もあります。湿度が高い日本では木材が傷みやすいため、少しでも長持ちさせるための工夫としてすき間のあるデザインが普及したのです。

揺れのエネルギーを分散できるので地震に強い

日本は地震国と呼ばれるほど地震が多い地域です。強い揺れによって建物が倒壊することもありますが、鉄筋コンクリート製の新しい建物が壊れたのに古い木造住宅はほぼ無傷だったというケースは少なくありません。木材を組み合わせただけの木造住宅ほど壊れやすいように思えますが、実際は地震による揺れのエネルギーが分散されるので、木造住宅の方が地震に強いと言えます。極端に揺れが強ければ木造住宅でも倒壊する危険がありますが、それでも固い地盤の上にある場合なら震度6ほどの地震でも全壊には至らないとされています。建材の組み合わせに余裕を持たせるのが揺れで生じたエネルギーを分散させる工夫ですが、これは木造住宅だから可能な方法です。